創刊の辞

『福音主義神学が聖書の釈義に根ざしたものでなければならないということは、当然のことです。 しかし、この当然のことが必ずしも「当然のこと」として行なわれているとは言えません。旧約聖書の「釈義」が何を意味するのか、そのことを具体的に知るために、ヘブル語テキストに直接当たり、苦闘しながら学び続けていく作業を積み上げていくことが必要であると思います。 ここに、年に数回、泊まりがけで一つの詩篇を共に学んできたことをまとめてささやかな研究誌を創刊することにしました。 夏に一つの詩篇を読み合わせた後、各自が興味のあるテーマを選び、年末の研究会にプロポーザルを持ち寄る。 それらを互いに検討し、予備的な論文を3月下旬の研究会で批評し合い、夏の研究会までに論文としてまとめる。 そして、秋に最終原稿を提出する、という手順で進めてきました。 各自が担当した論文は、このように、共同研究の結実でありますが、最終的な責任は執筆者一人一人にあります。 読者諸氏の率直なるご批判と励ましとを頂けますならば幸いです。』

(Exegetica 第 1 号, 1990 年)